尺八にクルミ油などを塗るのはなぜですか。
また、油を塗りすぎると響きが悪くなると聞きましたが。
植物油を塗る目的は、尺八を割れにくくするためです。 尺八はある程度水分を含んでいますが、これが乾燥によって 少なくなりますと竹が割れるわけです。 そこで、植物油を塗り、水分のかわりに油分を竹に染み込ませ、 割れにくくするわけです。

植物油の種類としては、椿油、くるみ油、オリーブ油、 料理油など色々ありますが、私の感じでは、くるみ油が 一番染み込みやすいように思います。

植物油の塗りすぎで響が悪くなることはありません。 ただ、演奏の前に塗ると、演奏中にツルツル滑って 吹きにくくなります。演奏前は、油を良く拭き取るほうが よいでしょう。

油をよく塗っていても割れる時は割れてしまいます。 特に冬、エアコン暖房などのある部屋に裸で置いておくと 簡単に割れてしまいます。 練習が終ったら、皮の袋などにしまい、鞄の中にでも 入れておいたほうが良いでしょう。 新品のうちは特に割れやすいので、ビニール袋などで包んで 押し入れの中に入れておくと万全です。

実は、私は油をほとんど塗っていません。 まあ、面倒なのと、ペタペタするのがいやだというのが 理由ですが。また、私の知り合いのプロ奏者にも 油を塗っている人はあまりいませんね。 でも、時々は塗ったほうがいいとは思いますが。

次のようなお便りがありましたので紹介いたします。

私は割れ防止に、すべての尺八をチャック付きのビニール袋にいれて保存しています。
念を入れる場合は、閉めるときに息をいれて少しの湿気を入れればベストです。
以前一冬に3本割れた経験がありましたが、それ以降は無傷です。
ビニール袋は中が見えるので、整理にも役立ちます。


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